義肢装具士(係長) 森耕平
北海道科学大学卒


自己紹介をお願いします。



洛北義肢の森耕平です。北海道工業大学(現 北海道科学大学)の義肢装具学科を卒業して、洛北義肢に入社しました。学生時代に臨床実習のため洛北義肢へ来ていたことが、就職のきっかけとなりました。社員の皆様がとても優しく丁寧に教えて下さり、臨床の義肢装具士像を知ることができ、ここで働きたいと思い、入社することになりました。その後、営業部(現クリニカルサービス部CS課)へ配属となり、義肢装具士としてのスタートラインを踏み出しました。色々な社員に迷惑をかけながらも走り続け、2016年に営業部主任を拝命し、2018年には営業部係長を拝命することになりました。義肢装具士としての業務は、今まで通りに走り続けています。また、管理職という新たなスタートラインから、試行錯誤の毎日を送っています。



義肢装具士として担う業務や役割など



義肢装具士は、医師の治療方針に沿った義肢装具を患者様に提供する医療従事者及び技術者です。もし医師の求めた製品ではなく治療方針に沿わない場合は、患者様の症状を悪化させることも考えられます。しっかりと医師の意図をくみ取り、患者様に必要な機能性を持った製品をお渡しできることが必要不可欠なことであり、与えられた業務になります。また、その治療のために必要な製品について、義肢装具士から患者様に説明する必要がありますが、患者様が分かりやすい説明を心掛け、少しでも不安な気持ちを拭う役割も義肢装具士にはあると思います。勿論、なんでもかんでも楽になる、辛くなくなる、という説明ではなく、使用した際のメリットやデメリット、目的、構造や材料の説明をして、理解を得ることで安心感を与える役割があります。知識や技術に加えて、お相手への配慮の気持ちが求められます。


義肢装具は患者様の生活の支えとなります。義肢装具がないと生活ができない患者様は多くおられます。義足や装具があれば歩くことができる方、物をつかめるようになる方、色々な患者様の生活の支えになることができます。また、製品は経年劣化により破損したり、不具合が生じることもあるため、その都度、アフターフォローが必要になります。その際に、義肢装具の具合を確認し、適切に対応することも義肢装具士の仕事です。製品をお渡しして終わりでは、患者様の生活に大きな影響を与えてしまいます。適切なアフターフォローが求められる役割の一つだと思います。


洛北義肢で義肢装具士として働く価値や得られる経験を教えてください。



患者様に適切な義肢装具を提供するための環境が整っていることに、洛北義肢で働く価値を感じています。まず入社後、義肢装具士として必要な知識、技術を学ぶための新人研修が始まり、先輩社員と臨床同行を通じて義肢装具士としての在り方を学ぶことができます。その中で、「CPD制度」という自己研鑽制度を利用することで、自分の状況を顧みて不足している知識や技術を補填することができます。また、我々は「10年のパスウェイ」というキャリアパスがあります。このキャリアパスを経て、最終的に一人前の義肢装具士と成長することができます。私自身もまだまだ成長途中ですが、一人前の義肢装具士として成長するための道標と方法を教えてくれることは、私自身、今でも感謝しており、とても価値のあることだと感じています。


洛北義肢で働く価値は、患者様の治療に役立つために最善を尽くすことだと思います。当たり前のことかもしれませんが、治療効果の無い製品を患者様にお渡ししないために、勉強会を行ったり、製品が不適合となった場合も適切に対処し、再発を防止することを徹底しています。妥協しないことは、患者様や病院スタッフのお役に立つことができ、信頼してくださるようになり、仕事のやりがいなどにもつながるため、価値のあることだと思います。


洛北義肢では製販分離体制を取っています。営業と製造に分かれており、主に義肢装具士が臨床へ、製作技術者と数名の義肢装具士が工場内製作を行っています。製作も行う一貫体制と比べると、多くの症例と携わることができるため、患者様の評価、義肢装具の設計と適合能力が身に付きやすい環境です。本当に多くの症例を見て、触って、自分の経験とすることができるため、この患者様に対しては何の義肢装具が適切か、なぜ合わないのか、等の状況判断を総合的に適切に行うことができるようになります。その状況判断能力が身につくと、一人前の義肢装具士として一歩を踏み出したことになるため、得難い良い経験だと思います。


洛北義肢は主に近畿圏の多くの総合病院、大学病院へ伺っており、その中でも病院の各専門外来を担当することで、義肢装具の専門性を高めることができます。例えば、足の専門外来であれば、足底装具や靴型装具、脊椎の専門外来であれば、体幹装具など。対応数が増えれば、それだけの経験を積むことができます。私自身は担当病院で脊椎外来と小児整形外来を担当しているため、専門性を高めることができています。ただやり続けるだけで専門性が身につく訳ではなく、そこには必要な知識や技術を補填する努力も必要になります。私は先輩社員から話を聞いたり、時には調べたことを学会で発表したりと、更なる専門性の確立へと繋げてきました。今後は私の得た知識や技術を後輩社員へ受けついでいけると良いなと思っています。



義肢装具士に求めるスキルと素養は何ですか?



義肢装具士養成校で学んだ義肢装具の知識や技術、整形外科疾患や脳血管障害等の義肢装具に関連する知識、人とコミュニケーションを図れることが重要になります。義肢装具士は多くの要素の中から、適切な義肢装具の提案及び提供できるスキルが必要です。要素とは、疾患、患者様の能力、生活環境、義肢装具の金額等、色々と挙げられるため、優先順位をつけながら、医師や理学療法士、作業療法士等とコミュニケーションを取り、仕様を決めます。適切に状況を判断し、患者様に必要な義肢装具を提案するための知識、その知識を伝えることができるコミュニケーション能力が必要です。


患者様に対して、楽にしてあげたい、という気持ちを持って対応できることが大切だと思います。どのような仕事、職種でも言えることですが、それなりにやっていると、それなりの結果しか出ないと思います。患者様の治療に関わる医療従事者として、義肢装具士として、自分の出来ることを最大限に発揮し行動することができると、自ずと良い結果につながると思います。新人のころは誰でも、自分の能力を最大限に発揮していても、知らないことが沢山あったり、時には失敗もすると思います。そんな中でも諦めずに、一歩一歩進み続ける根気も必要な要素の一つだと思います。


義肢装具士は、何事においても、人との関わりが必要な仕事です。患者様、患者様の家族、医師や看護師などの医療スタッフ、もちろん会社の社員との関わりもあります。そのような時に、前述したコミュニケーション能力に加えて、相手を思いやる気持ちを持てるかどうかも、とても大切なことだと思います。自分の意見を持つことも大切なことですが、相手に意見を押し付けず、相手の立場になって考え、相手のことを考えて行動できると、より良い義肢装具士になれると思います。義肢装具士に限らない話ですが、人として、義肢装具士として、必要なことだと思います。


義肢装具はいろんな分野、職種の方と関わる機会が多くあり、より良い結果を得るためには相互の理解が重要になります。専門職として頼られ、チームとして一緒に成長させて頂けるようにお互いに教えあえるように自分自身を継続して成長させる必要があります。そのためには、経験のないことにも一歩前に踏み出せることだと思います。常に学び続けて成長し続けようとするチャレンジ精神を持ち続けることで、大きな変化を手にすることにも繋がります。



最後にメッセージを



義肢装具士はとてもやりがいのある仕事だと思います。患者様から「楽になった、ありがとう。」と言ってもらえると素直に嬉しく思います。そう言ってもらえるように、日々業務を行っています。もちろん難しい壁に当たることも沢山あります。挫けそうになることも沢山あります。それでも仕事を続けられるのは、仕事にやりがいを見つけているからだと思います。義肢装具士にやりがいを見つけて、患者様のお役に立てるようになりましょう。